当サイトは日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)「教育ビッグデータを用いた教育・学習支援のためのクラウド情報基盤の研究」のプロジェクトサイトです。
必要性を増しつつある「教育データ科学」
2020年のデジタル教科書本格導入を目前に控え、教育環境の電子化が急激に進んでいます。
従来のデジタル教科書に関する議論では、コンテンツの電子化だけに注目が集まっており、
電子化された教科書から学生の学習行動を収集し授業改善に役立てることに関してはあまり考慮されていません。
そこで本プロジェクトでは、学校教育におけるデータを収集し、定量的に分析することで教育を改善する「教育データ科学」を推進します。
「教育データ科学」の試み
本研究では、「教育ビッグデータ」、「クラウド情報基盤」、「教育データ科学」に関する以下の3つの目的を達成するために研究を行います。
- デジタル教科書やe-Learning等を用いてフォーマル(講義内)、インフォーマル(講義外)な学習を両方含め、生涯にわたる学習ログ (Learning Logs) を蓄積し、教育ビッグデータを構築
- そのデータを分析して、教育・学習をサポートする教育用クラウド情報基盤を創出
- 「教育データ科学」の学問領域を創設してデジタル時代の「学び」を解明し、新しい教育・学習環境を創造する
本研究では教育データ科学を創設しますが、そのためのデータを収集・分析するために、教育クラウド情報基盤を構築します。
教育クラウド情報基盤により、学校教育などのフォーマルな学習と家庭学習などのインフォーマルな学習の双方において、デジタル教科書やe-Learning、データ分析などのツールを提供して、教育ビッグデータの蓄積と利活用をシームレスに支援可能です。
要素課題と実際の研究計画
目的を達成するためには、以下に挙げられるそれぞれの要素課題について明らかにする必要があります。
- 1. データ収集
- どのような情報を収集して
- 2. データ統合
- どのように教育ビッグデータを構築し
- 3. データ分析・可視化
- どのような分析を行い
- 4. 教育的インタラクション
- どのように現場にフィードバックして
- 5. 実証実験
- その結果、教育・学習の効果をどのように評価するのか
- 6. 理論構築等
- また、どのような教育方法、学習方法が最適であるか
新規学問領域の開拓
本プロジェクトでは、これらの性質の異なる6つの要素課題に取り組むため、専門の異なる様々な領域の研究者が協力して課題解決にあたります。
これにより、様々な分野をまたぐ学際的領域である「教育データ科学」という新規学問領域が定義できます。
教育データ科学の学問分野では、教育ビッグデータを収集・分析することにより、教育や学習を改善する方法を発見します。
Our Mission
教育データ科学の創設とクラウド情報基盤の創造により、2020年のデジタル教科書の導入と同時に、教育を抜本的に変える!