OKLM DTに基づいた個別最適化型のバーチャル教育・学習環境の構築と評価
タイトル | OKLM DTに基づいた個別最適化型のバーチャル教育・学習環境の構築と評価 |
研究代表機関 | 広島市立大学 |
研究開発責任者 | 毛利考佑 |
本研究は、バーチャル技術とラーニングアナリティクスによる新たな教育・学習プラットフォームの研究開発を目指しています。下記の図は、本研究で開発するバーチャル教育・学習プラットフォーム(めたスク)の構想を表しています。今後少子高齢化は避けては通れない課題となっており、教育の現場では、今後の児童生徒数の減少が避けられず、過疎化による学校の統廃合や教員配置など様々な影響が予想されます。本研究で開発する「めたスク」は、学校内あるいは学校間をメタバースの空間に繋ぎ、臨場感や没入感を高める教育・学習環境を提供することを可能にします。また、「めたスク」を用いることで、バーチャルワールド内の学習者活動データを収集・分析できる仕組みを開発します。他にも、教育の現場でVRカメラや指向性マイクを設置して、VR型オンデマンド授業動画を収録し、めたスク内で臨場感を高める講義映像の提供を開発します。
めたスクの教室と機能説明
①一斉授業用教室
教員は、バーチャル教室上のスクリーンに教材を投影し、複数の受講者に対して講義を行える環境が構築されている。受講者は、そのバーチャル教室にHMD(Head Mounted Display)を装着し、ネットに接続すればいつでもどこでも参加することができる。本研究では、この環境を拡張し、教員と受講者及び受講者間で対話やジェスチャー(手を上げるや手を振る)など、対面講義と同様の環境に加えて、講義を受講しながらVR教材を扱えるように研究開発を行う。
②自主学習用教室
学習者は、一斉授業で実施した講義動画を自主学習用の教室で視聴することができる。自主学習用の教室内は、机の上にディスプレイが配置されており、受講したい動画を選択後に、ディスプレイ前のStartボタンをクリックすることで視聴することができる。また、HMDのEye tracking機能により、視線データを収集し、ラーニングアナリティクスの研究に利活用する。
③グループワーク用教室
グループワーク部屋では、グループワークを効率よく行うための機能が提供されています。例えば、グループ領域内にアバターを移動することで、その領域内で存在するアバター間同士のみで声が聞こえるように制御されています。また、グループごとに画面共有用のスクリーンが配置されており、スクリーンを使用する事で画面共有することができます。他にも議論の発散を促進する効果があるボタンの実装やアイデアを付箋に記入し、それを整理して、グループ化するホワイトボードの設置など、グループワーク支援の機能を提供します。これらのグループワークの機能は、OKLM-DTによりグループ編成で割り当てられたユーザーが協働学習を実施するのに役立てることができます。
④VR型オンデマンド講義動画の収録
現実世界の教室にVRカメラや指向性マイクを設置し、3D映像及び音声で講義を受講できるVR型オンデマンド講義動画を提供します。これにより、2D映像や音声よりも、臨場感を高める講義映像を視聴することができ、教育・学習効果を高めることが期待できます。